口腔腫瘍|大分県別府市の矯正歯科

口の中の腫瘍(口腔腫瘍)

口の中の腫瘍は、大きく良性腫瘍と悪性腫瘍(口腔癌)に分けられます。それぞれの腫瘍は、発生する部位や組織の種類によって細かく分類され、治療法や治療後の予後が異なります。良性腫瘍は再発が少なく転移もしないため、生命に関わることはほとんどありませんが、まれに悪性化する場合もあります。悪性腫瘍は口腔癌であるため、生命に関わる重大な疾患で、再発したり口腔から首のリンパ節や肺などに転移を起こす可能性があります。

口の中の良性腫瘍

良性腫瘍には、「歯原性腫瘍」と「非歯原性腫瘍」があります。 歯原性腫瘍は歯に由来する腫瘍で、エナメル上皮腫、歯牙腫、セメント芽細胞腫などが代表的です。

エナメル上皮腫

歯原性腫瘍の中で、もっとも多く見られる腫瘍です。腫瘍の一部、または大部分が嚢胞のようになっている場合があります。下顎の後方部の骨の中に発生することが多く、大きくなると顎の骨が膨隆するため顔が変化することもあります。

歯牙腫

歯牙腫は、歯胚の形成異常による組織の形態異常です。形成された硬組織の配列状態によって、集合性歯牙腫と複雑性歯牙腫に分類されますが、どちらも腫瘍の中に歯の組織を含んでいるのが特徴です。厳密には本当の腫瘍ではなく、組織奇形(過誤腫)に類似する病変です。

セメント芽細胞腫

セメント芽細胞腫とは、セメント質のような硬組織の腫瘍性増殖を特徴とする腫瘍で、10歳〜20歳にかけての女性にやや多く、下顎大臼歯部に発症することが多いです。

非歯原性腫瘍には、乳頭腫、エプーリス、線維腫、血管腫などが挙げられます。

乳頭腫

非歯原性腫瘍の中でもっとも多く発生し、表面が白く乳頭状の腫瘍です。痛みなどの自覚症状はなく、舌や口蓋、歯茎、頬の粘膜に多く見られ、悪性転化の可能性を持つといわれています。

エプーリス

炎症により増殖した歯周組織の限局性腫瘤です。発生原因として、不適合な補綴物や入れ歯のクラスプなどの慢性的な器械的刺激、歯周疾患の慢性の炎症性刺激、女性ホルモンなどの内分泌の異常などが挙げられます。

線維腫

頬粘膜に見られる腫瘍です。線維組織が増殖したもので、義歯などによって、慢性的に粘膜に刺激が加わることで発生すると考えられています。

血管腫

毛細血管が増生することで、舌の端に小さな暗紫色の病変が認められる腫瘍です。ゆっくり大きくなることから、ある程度大きくなった場合には切除が必要になります。

他にも顎下腺、舌下腺、小唾液腺といった唾液腺にできる腫瘍として、多形性腺腫、腺リンパ腫などがあります。唾液腺の良性腫瘍は、一般的に境界が明瞭で、徐々に大きくなります。また、痛みや神経麻痺を生じないのが特徴です。

口の中の悪性腫瘍(口腔癌)

口腔癌は発生する部位によって分類され、舌癌、歯肉癌、口腔底癌、頬粘膜癌などがあります。口腔癌の中では舌癌が最も多く、次いで歯肉癌、口底癌、頬粘膜癌と続きます。また、口腔癌は組織型により癌腫と肉腫に分類されますが、他の頭頸部癌と同様、そのほとんどは癌腫のひとつである扁平上皮癌です。

舌癌

舌癌は口腔内に発生する癌の約90%を占めており、男性に多く見られます。好発年齢は50歳代後半ですが、20~30歳代の若年層にも時々見られることがあります。舌癌のハッキリした原因はまだ明らかではありませんが、飲酒や喫煙などの化学的な慢性刺激や、不正咬合や不適合な補填物や義歯が舌に常に当たってしまう器械的な慢性刺激などが原因と考えられています。舌はご自身で鏡を用いて見ることができるため、早い段階で発見されることが多いですが、早期に頸部リンパ節に転移して急速に進行するタイプがあるのも一つの特徴です。

歯肉癌

歯茎の上皮組織から発生した悪性腫瘍で、下顎の臼歯部歯茎に好発します。歯茎は薄い組織であるため、癌は歯茎に留まらずその下の骨や骨膜に浸潤していき、顎下リンパ節や頸部リンパ節に転移することがあります。表面はざらざらとした感じの腫瘤で、早期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどないため、進行して歯茎の腫脹や潰瘍によって気付くことが多いです。また、歯肉癌の腫脹や潰瘍は歯周病と間違えやすく、歯肉炎や歯周炎と診断されることがあるため注意が必要です。

口腔底癌

舌の裏側に接する部分の中心部に発生することが多く、舌下腺や顎下腺の開口部があり、その下には舌下神経や舌神経があるため、手術で大きく取ることが難しく、両側の頚部リンパ節に転移することが多いです。

頬粘膜癌

頬の内側の粘膜に発生する癌です。不正咬合や、不適合な補填物や義歯による器械的な慢性刺激の他に、頬を噛んでしまったことが原因となる場合もあります。

その他にも、癌腫には唾液腺に生じる腺様嚢胞癌や粘表皮癌、腺癌などがあり、肉腫では、顎骨に生じる骨肉腫が代表的です。また、全身性の悪性腫瘍である悪性リンパ腫や多発性骨髄腫が口腔内に発生することもあります。

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